西日本皮膚科
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シンポジウム―接触皮膚炎―
接触皮膚炎の診断
(起炎物質と有機化合物概念図)
藤木 達士
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1969 年 31 巻 3 号 p. 264-278

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抄録

日常遭遇する接触性皮膚炎の起炎物質は,有機化合物を主体とする。それらの起炎物質の化学構造とその作用機序の関係について,画一的な法則は未だ明らかでないが,両者の間に相当な関連性のあることも否定できない事実である。筆者は合理的な有機化合物の分類法として,藤田穆博士の有機化合物概念図の応用を試み,すでに構造の明らかな多数の起炎物質をlocateしたところ,光線感受性域,発癌性域,細胞組織変性域,有機活性城,無機活性域,両性兼有域,感作限界線が設定された。ついでDifolatan dermatitisの起炎物質を有機概念図上にlocateし,細胞組織変性域,光線感受性域,感作限界線内に存在することを認めたが,これは,接触性皮膚炎,光毒性日光皮膚炎,光アレルギー性日光皮膚炎の3つのタイプを有する臨床所見とよく一致した。このような興味ある結果から,未確認の起炎物質の構造を知る上に,また逆に疑わしい起炎物質の臨床像の推定に,それぞれ応用できることを考察した。

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© 1969 日本皮膚科学会西部支部
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