昭和42年1月から昭和46年12月にいたる5ヵ年間に,西日本各大学病院皮膚科を主とした13施設を訪れた紅皮症様病変を呈した患者を調査した成績を報告した。60∼70才代の患者が約半数を占め,男女比は3:1である。多数例にコルチコステロイド(以下「コ」と略記)治療の既応があり,紅皮症化への誘因として「コ」投与が誘因となつたと思われる若干の自験例を紹介し,その機構について動物実験成績から検討した。「コ」の長期投与のみによつても紅皮症準備性は高まり,生体に「コ」の薬理作用と外的因子が同時に作用すると,皮疹は修飾されむしろ反応は増強し,紅皮症様病変を呈しやすくなると推測した。