西日本皮膚科
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シンポジウム―紅皮症―
紅皮症の治療
井上 勝平中村 昭典松村 政成佐藤 隆久藤原 邦彦宮原 照也
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1973 年 35 巻 2 号 p. 105-114

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抄録

紅皮症は単一疾患ではなく,多くの原因あるいは先行基礎疾患によつて惹起された皮膚反応である。従つてその治療にあたつては,全身状態の把握,原因あるいは先行既知疾患の追求,さらに紅皮症状態を引き起こす重要な因子となつた病態生理を加え,それぞれに立脚した治療法を考慮しなければならない。今回は11大学集計578例について検討,つぎの諸点に論及した。
1)治療上から,紅皮症を幼小児型と成人型に分類,後者をさらに,湿疹型,薬疹型,既知および皮膚疾患続発型,悪性腫瘍型なびに分類するのが実際的である。
2)代表的疾患について治療上の問題点に触れ,紅皮症状態の全身におよぼす影響(体温調節障害,心·循環系障害,水分,蛋白代謝障害など)とその対策をのべた。
3)コルチコステロイド,ACTH療法の適否。
4)紅皮症発症因子を考慮した2,3の治療法を簡単に紹介した。

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© 1973 日本皮膚科学会西部支部
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