西日本皮膚科
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シンポジウム―紅皮症―
紅皮症における外用コルチコステロイド剤の皮膚吸収および全身的影響について
久木田 淳山田 和宏竹田 勇士
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1973 年 35 巻 2 号 p. 115-119

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抄録

老人性紅皮症患者における外用コルチコステロイド外用による皮膚吸収および全身的影響を,放射性betamethasone 17-valerate creamを使用するautoradiogaply法およびMurphyのcompeitive protein-binding radioassayの変法を使用し,血漿中のcorticosteroidの定量,循環好酸球数の増減,尿中17-KS,17-OHCS,を測定し,全身的影響とくに下垂体副腎抑制効果を検した。Autoradiography法による皮膚吸収実験においては,疾患皮膚において正常皮膚に比較して,表皮内および真皮上層に放射性物質を証明し,明かに皮膚吸収の亢進を認めた。外用コルチコステロイドによる全身的影響では単純塗布10gを除き,密封包帯法10gを用いての実験において,脳下垂体皮質機能の抑制効果が証明された。

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© 1973 日本皮膚科学会西部支部
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