1973 年 35 巻 3 号 p. 269-274
5%5フルオロユラシル軟膏の単独塗布と閉鎖密封法によりBowen病,砒素性角化症の18例,38病巣の92%,有棘細胞癌23例の45%,基底細胞癌16例の81%に腫瘍の臨床的消失が認められた。副作用としては局所の疼痛,出血が主であり,本剤の吸収による全身性副作用と考えられるものは認められなかつた。本治療法はBowen病や砒素性角化症のような多発,表在型病巣にたいしては理想的な治療法と考えられるが,有棘細胞癌や基底細胞癌の単発,深在性病巣では単独療法としてはなお,検討を要する。