西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
ラウンドテーブル ディスカッション―腫瘍の化学療法にかんする基礎的諸問題―
―基礎から臨床へ―
皮膚悪性腫瘍化学療法の臨床上の問題点
―とくにBleomycinの腫瘍別効果差の機序および副作用制禦について―
三島 豊松中 成浩
著者情報
ジャーナル 認証あり

1973 年 35 巻 4 号 p. 426-434

詳細
抄録

現今の抗癌剤のうちbleomycin(BLM)は他臓器に比し皮膚腫瘍にもつとも高い特異的集積能を示し,効果がもつともいちじるしいが,しかし有棘細胞癌に比したとえば基底細胞上皮腫では前著ほど全身投与は有効でない。この原因としてBLMは各種腫瘍およば臓器により種々異なる程度に不活性化され,その抗腫瘍効果は本剤のchemical concentrationのassay値よりも,活性型BLMの局所濃度にはぼ平行する事をみいだした。またかかる不活性化能の高い組織ほど還元型glutathione (GSH)の固有濃度も高いことをみいだした。BLMにたいしGSHはin vitroおよびin vivoにおいても不活性化能を有するが,各臓器間に作用パターンの差がある。BLM投与数時間後にGSH投与すれば, BLMの皮膚癌への効果減弱を避けながら,一方肺に遅延性集積をきたしているBLMの不活化に有効に作用し,肺線維症の防止に設立つ知見をえた。また癌細胞の崩壊壊死に関与するlysosome膜をlabilizeするlipoprotein lipase活性がヒト悪性腫瘍組織内で,dextran sulfateの投与で明かに亢進するのをみいだした。

著者関連情報
© 1973 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top