1974 年 36 巻 1 号 p. 31-34
0.1% Hydrocortisone-17-butyrate creamを大量(60g),正常皮膚と病的皮膚に,全身の単純塗布とODT療法で治療した際の全身的影響を下垂体副腎皮質機能の面より検索した。まず正常皮膚の場合,本剤の単純塗布では,下垂体副腎皮質機能になんら異常を認めなかつたが,ODT療法では,循環好酸球数の低下,血中corticosteroid値,尿中17-OHCS値のいずれにも減少傾向を認め全身的影響の可能性を示唆した。また病的皮膚の場合,ODT療法はもちろんのこと単純塗布では,循環好酸球数,血中corticosteroid値,尿中17-OHCS値のいずれにも減少が認められ,全身的影響が確認できた。しかしこれらの検査値は,処置を中止すると2日くらいで元の値に回復することから一過性であると考えられる。