西日本皮膚科
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治療
Neurotropinを主とした変調療法による汎発性膿疱性乾癬(Zumbusch型)の1治験例
長野 拓三蓮尾 統子山崎 知行島雄 周平
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1974 年 36 巻 2 号 p. 210-215

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抄録

幼小児より汎発性膿疱性乾癬に罹患した26才,女子の患者にたいしノイロトロピンを主とした変調療法を試み,長期中等度寛解をえた。
I 治療法 ステロイド剤,ACTH,免度抑制剤の全身投与をさけて,ステロイド外用剤のみ使用し,そのような状態にノイロトロピン特号を連続10ヵ月間皮下に投与し,それにパスパート,アストレメヂン,ムルチン,丸山ワクチンの順序で,それぞれを併用する方法を用いた。
II 治療成績 以下の5点にかんしていちじるしい改善がみられた。(1)初期の紅皮症状態が改善されて正常皮膚面が拡大し,膿疱形成が消失した。(2)全身性の易移動性の関節痛がまつたく消失した。(3)連日38℃~39℃の発熱が持続していたが,37℃に落着いた。(4)CRP,RAが陰転し,血清蛋白,血沈も正常化し,肝機能も改善した。(5)併発していた寒冷蕁麻疹も治癒した。

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© 1974 日本皮膚科学会西部支部
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