西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
ラウンドテーブル ディスカッション—炎症における細胞反応とその役割—
炎症巣における多核白血球の役割
—白血球顆粒のプロテアーゼを中心として—
蕨 治言
著者情報
ジャーナル 認証あり

1974 年 36 巻 4 号 p. 475-480

詳細
抄録

炎症巣における多核白血球の役割にかんする2, 3の実験で, 1)好中球顆粒成分にはelastase, collagenaseらの中性プロテアーゼが存在し, 2)作用させる変性ガンマグロブリンの蛋白濃度にしたがつてPMN顆粒酵素のreleaseが増加し, releaseのメカニズムはplasma membraneの刺激にもとづくactive processである可能性が示唆され, 3)変性ガンマグロブリン免疫複合体にたいしてPMNのchemotaxisが認められ, 4)PMNの顆粒成分によつて基底膜の構造変化がもたらされた, 5)ウサギ膝関節腔に顆粒成分を注入することによつて炎症性変化が観察された。

著者関連情報
© 1974 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top