1974 年 36 巻 4 号 p. 475-480
炎症巣における多核白血球の役割にかんする2, 3の実験で, 1)好中球顆粒成分にはelastase, collagenaseらの中性プロテアーゼが存在し, 2)作用させる変性ガンマグロブリンの蛋白濃度にしたがつてPMN顆粒酵素のreleaseが増加し, releaseのメカニズムはplasma membraneの刺激にもとづくactive processである可能性が示唆され, 3)変性ガンマグロブリン免疫複合体にたいしてPMNのchemotaxisが認められ, 4)PMNの顆粒成分によつて基底膜の構造変化がもたらされた, 5)ウサギ膝関節腔に顆粒成分を注入することによつて炎症性変化が観察された。