西日本皮膚科
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研究
表皮ライソゾーム膜にたいするステロイドホルモンの安定化作用の比較
木下 啓島田 達生野田 和良二宮 冬彦小倉 良平
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1974 年 36 巻 5 号 p. 680-687

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抄録

モルモット表皮ホモジネートに紫外線を照射し,20,000×g上清分画の酸性フォスファターゼ活性を測定し,紫外線が選択的にライソゾーム膜に障害をあたえ,酵素の遊離をおこさせることを再確認した。ついでステロイドホルモン製剤と表皮ホモジネートをpreincubateしておくと紫外線による酵素の遊離が阻止されることを明らかにした。このような条件下の実験ではfluocinonide,betamethasoneは低濃度において(とくにfluocinonide),良くライソゾーム膜の安定化に効果を示した。Fluocinolone acetonideやindomethacin(非ステロイド)も効果はあつたが,前者に比すれば程度は低かつた。

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© 1974 日本皮膚科学会西部支部
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