西日本皮膚科
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研究
皮膚糸状菌におけるセロファン粘着テープ同定法について
庄司 昭伸
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1974 年 36 巻 6 号 p. 787-790

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抄録

透明なセロファン粘着テープを用いて皮膚糸状菌の顕微鏡標本を作成し,同定法として使用できることを確め,永久標本になりうることを確認した。本法は予備的検査法としては優れているが,永久標本にはカバーグラスに接着剤を塗る簡便法,操作が複雑で日数を要する懸滴培養,slide culture,被いガラス培養によらねばならないとされていた。しかし本法ではセロファン粘着テープ(ニチバン)を用いて,斜面培地あるいは巨大培養のコロニーから直接的に簡便かつ迅速に標本が作成できると同時に,暗所に保存し約1年間経過するも顕微鏡所見にほとんど変化を認めず,永久標本としての価値があると判断した。

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© 1974 日本皮膚科学会西部支部
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