西日本皮膚科
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症例
化学療法の奏効したセザリー症候群の1例
小林 登喜子肥田野 信
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1975 年 37 巻 1 号 p. 38-44

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抄録

44才男子, 全身の紅皮症状態, 色素沈着, 手足の著明な角化亀裂, 全身の表在性リンパ節腫脹および肝腫大あり, 末梢血中に21.5%におよぶ単核異型細胞が存在する。はじめブレオマイシン, エンドキサン, 6-MP, プレドニンのいわゆるBEMPによる多剤併用療法により, セザリー細胞は3.5%以下に減少し, 皮膚症状も著明に軽快した。続いて維時療法としてブレオマイシン, ビンクリスチン, プレドニンの3者併用をおこない皮疹, セザリー細胞とも良好な状態が続いていたが, 発熱, 倦怠感等の副作用を生ごたため5ヵ月で中止し, 昭和49年2月までの7ヵ月間はクロラムブチルとプレドニンの少量内服で, 皮膚は色素沈着のみ, セザリー細胞も5.5%以下という寛解状態をえている。昭和49年2月からはプレドニン少量内服のみで皮膚症状は同様に色素沈着のみ, セザリー細胞は1%以下と良い状態が続いている

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© 1975 日本皮膚科学会西部支部
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