西日本皮膚科
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症例
Bourneville-Pringle 母斑症におけるWhite Leaf-Shaped Macule について
安田 耕一郎大河原 章高島 巌
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1975 年 37 巻 1 号 p. 58-61

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抄録

最近われわれはBourneville-Pringle母斑症の初発疹として診断的価値の大きい, いわゆるwhite leaf-shaped maculeを有する症例を3例経験した。2例はleaf-shapedの白斑が生下時から存在し, 痙攣発作の出現より早期に出現していたことが確認された。とくに1例では, 脂腺腫などの本症に特有な皮疹はまつたく出現しておらず, leaf-shapedの白斑と痙攣発作の既往から本症と診断しえた。1例にはleaf-shapedの白斑のほかにいわゆるnevus depigmentosusを認めた。本症に特徴的な脂腺腫は生後2~5年を経てから現われることが多く, 痙攣発作は2年以内に発生することが多い。したがつて, 通常生下時より存在するleaf-shapedの白斑の認識は, 本症の早期発見および痙攣発作による知能低下を防ぐための有力な手がかりになると考えられる。

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© 1975 日本皮膚科学会西部支部
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