生後2日目, 満期, 安産の女児の背部より側胸部にかけ, ほぼ左右対称性に幅約2cmの帯状の皮膚欠損を認めた。この女児は双胎であり, 他児は胎生4~5ヵ月で死亡し, ミイラ化したものをともに娩出した。羊膜の癒着の所見はまつたく認められなかつたが, 羊水の混濁と頸部の臍帯巻絡1回を認めた。生後ただちに全身的に合成ペニシリン剤の投与, 局所にはヒビテン消毒後ソフラチュールガーゼ処置で生後16日目に瘢痕治癒した。母親は28才, 初産で妊娠中を含めて現在まで著患をしらない, また特別な薬剤の投与も受けたこともない。本邦の報告例38例につき文献的考察をおこない, 子宮腔内狭小化, また胎生4~5ヵ月ごろに双胎のうち他胎の死亡を引き起こすような環境の変化がその発生要因のひとつになつたかもしれないと推論した。