症例:76才男子 初診:昭和49年6月8日 病歴:48年12月末ころに左頬部にそう痒性紅斑を発生,49年4月初旬に紅斑部に腫瘤を生じ,同時期に左下顎リンパ節の腫大にも気付いた。腫瘤の組織は,真皮上層に健常層を残すほか,全層に瀰慢性,稠密に,ほとんどが細網細胞からなる細胞浸潤があり,好銀線維の網工形成は一部を除いてほとんどなかつた。電顕でも細網肉腫細胞の浸潤が認められた。右鼠径リンパ節でも,細網細胞の瀰慢性の増殖がみられた。赤崎の細網肉腫の未分化型,一部は分化型への移行がうかがわれるものと診断し,VEMPと放射線療法で7週後寛解したが,49年12月2日急死した。