西日本皮膚科
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研究
皮膚科領域におけるリンパ球幼若化現象知見補遺
藤本 典男
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1976 年 38 巻 1 号 p. 78-89

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抄録

PHA刺激による非特異的リンパ球幼若化は一般に72時間培養で判定されるが,ずつと短時間,40分の接触でも同様な現象が観察された。癩では低値をしめしたが,他の種々の皮膚疾患においては幼若化率にばらつきがみられた。PPDによるリンパ球幼若化現象は真正皮膚結核においては低く,結核疹群で高かつた。PPDによる幼若化細胞はマクロファージ型で,BCGによるものはPHA型であつた。ブドウ球菌抗原においてもcrudeな黄色ブ菌培養液による幼若化細胞はPHA型で,Hollister社製ブ菌ワクチンによるものはマクロファージ型であつた。DNCBによるリンパ球幼若化は感作前は陰性,感作後は陽性であつた。また感作前の血漿と感作後のリンパ球の組み合わせでは幼若化はみられなかつた。

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© 1976 日本皮膚科学会西部支部
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