西日本皮膚科
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研究
皮膚科領域における線溶療法の検討
―汎発性鞏皮症とジューリング疱疹状皮膚炎の治療―
重見 文雄高橋 智津子藤田 知道武田 克之
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1976 年 38 巻 3 号 p. 432-437

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抄録

汎発性鞏皮症では, 健常皮膚でみられるようなプラスミノーゲン組織活性化因子による局所線溶がみられない。この組織活性化因子の消失が皮膚硬化の一因として関与していると考え, 2例の汎発性鞏皮症にウロキナーゼを投与し, 満足しうる臨床効果がえられた。ジューリング疱疹状皮膚炎の病変部皮膚でも正常な局所線線はみられず, 減弱ないし消失している。本症では特異的に局所にフィブリン沈着がみられ, これが発症因子として大きな役割を果たしていると考えた。このフィブリンを清掃する目的で, プラスミノーゲンの活性化因子であるウロキナーゼを2例に投与した。連日投与ではウロキナーゼ単独で満足しうる臨床効果がえられた。

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© 1976 日本皮膚科学会西部支部
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