西日本皮膚科
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症例
巨大結節性黄色腫
―腸管に多発性黄色腫形成を思わせ,家族性Type II b型高脂血症をともなつた症例―
清水 康之島雄 周平勝部 吉雄入澤 輝男
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1976 年 38 巻 4 号 p. 590-594

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抄録

24才男子にみられた巨大な結節性黄色腫を報告した。血清脂質の分析によりWHO分類type II b型に分類できるように思われる。家族の血清脂質の検査により, 母親および同胞4人中3人(患者を含めて)に高脂血症を認めた。本患者においてもつとも特徴的なことは, 消化管のX線学的な検索により, 空腸から回腸にかけて多数のポリープ様の陰影欠損像を認めたことであつた。これらの陰影欠損は, 消化管あるいは腸間膜に多発した黄色腫と推論された。

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© 1976 日本皮膚科学会西部支部
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