西日本皮膚科
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研究
コルチコイド軟膏の作用と副作用とくに全身的影響にかんする臨床的および実験的研究
第2報Betamethasone 17-Valerate軟膏の再評価
藤原 邦彦
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1977 年 39 巻 1 号 p. 46-59

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抄録

1) 尋常乾癬, 湿疹の患者10例に0.12% betamethasone 17-valerate軟膏(BM-V)を外用, 全身的影響を調べた。
2) 10例(20検体)のうち, 臨床的には70%に著効を認めたが, 副腎皮質への抑制的影響も65%にみられた。
3) BM-Vと0.1% triamcinolone acetonide軟膏(TA) を同一個体で比較, BM-VがTAより臨床効果, 副腎皮質の抑制とも顕著であつた。
4) TA(18検体)とBM-V(20検体)を比較すると, BM-Vに即効性を認めたが, 7~10日後の比較では, 臨床効果にいちじるしい差は認められず, 副腎皮質への影響はBM-Vが顕著であつた。
5) BM-Vを長期使用した症例でも外用を中止すると数日で前値に回復する例が多かつた。1例に回復までに10数日を要した。
6) 糖尿病患者に外用すると空腹時血糖は上昇する傾向を示した。
7) 臨床効果, 副腎の抑制的影響によつてコルチコイド軟膏を分類し, 疾患, 症状に応じて使いわける必要を認める。

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© 1977 日本皮膚科学会西部支部
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