西日本皮膚科
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研究
進行性指掌角皮症の病因論
―進行性指掌角皮症における手掌の水素イオン濃度および皮表脂質の分析―
小林 敏教
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1977 年 39 巻 4 号 p. 593-599

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抄録

右利きの女性で, 病巣が指腹のみに限局し, 手掌に病変がおよんでいない進行性指掌角皮症38例, および対照として正常人右利き女性20例, 同男性21例につき, 手掌部の拇指球部, 中指球部, 小指球部における水素イオン濃度を測定, さらに本症群と対照女性群の手掌皮表脂質を採取し分析した結果, つぎのような成績をえた。
1) 本症群は左右手掌とも, 拇指球部, 中指球部でpH値がアルカリ傾に向つて高く, 対照群との間に有意の差を認めた。
2) 薄層クロマトグラフィーによる分析では, 本症群は対照群に比較して, トリグリセライドが高く, 遊離脂肪酸が低くなつており, トリグリセライドの分解遅延の傾向がうかがえた。
3) ガスクロマトグラフィーによる分析では, C16-0は本症群および対照群とも, もつとも高く, 両者の間に差はみられなかつた。C14-0は本症群が高く, したがつて, C14-0/C16-0は本症群が高値を示した。C18-0/C16-0およびC18-0/C18-1比では両者の間に差がみられなかつた。以上の結果から, 手指掌の発汗異常にもとづく, 皮表脂質の性状変化が, 本症発症となんらかの関連があるものと考えられた。

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© 1977 日本皮膚科学会西部支部
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