西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
皮膚アルテルナリア症
御子柴 甫大久保 正己若松 勝雄二条 貞子
著者情報
ジャーナル 認証あり

1977 年 39 巻 5 号 p. 691-695

詳細
抄録

患者は37才男性, 初診(昭和46年3月)の約25年前より左頬部に小指頭大の皮疹が出現, 緩慢に拡大した。高校生のころに右頬部にもさらに皮疹が生じた。境界明瞭な扁平に隆起した淡紅色の皮疹であり, びまん性に鱗屑, 血痂をのせる。表面はほぼ均一, やや密な顆粒状を呈する。組織片よりAlternaria alternataを分離した。組織学的検査にて巨細胞をふくむ肉芽腫性炎症であり, 菌要素は巨細胞内では空胞状, 細胞外では黄色調にみえ, 大型の円形物質として認められる。PAS染色にて円形物質は壁のみが, あるいは全体が陽性に染まる。

著者関連情報
© 1977 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top