患者は37才男性, 初診(昭和46年3月)の約25年前より左頬部に小指頭大の皮疹が出現, 緩慢に拡大した。高校生のころに右頬部にもさらに皮疹が生じた。境界明瞭な扁平に隆起した淡紅色の皮疹であり, びまん性に鱗屑, 血痂をのせる。表面はほぼ均一, やや密な顆粒状を呈する。組織片よりAlternaria alternataを分離した。組織学的検査にて巨細胞をふくむ肉芽腫性炎症であり, 菌要素は巨細胞内では空胞状, 細胞外では黄色調にみえ, 大型の円形物質として認められる。PAS染色にて円形物質は壁のみが, あるいは全体が陽性に染まる。