西日本皮膚科
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研究
創傷治癒にたいするガーゼの影響
松本 厚生城 和男難波 和彦
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1978 年 40 巻 2 号 p. 323-330

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抄録

創傷の治癒をすみやかにかつできるだけ美しく行なわせることは皮膚科や形成外科領域における最大の課題である。今回われわれは白色家兎を用い, 白色ワセリンを木綿ガーゼに浸透させたもの(マルザルベ-Vガーゼ)としからざるものとの間での創傷治癒にたいする影響を採皮·潰瘍モデルを作製し検討した。その結果, マルザルベ-Vガーゼは他薬剤ガーゼと比較して, 浸出液の排出性の良さに加えて, 適量の白色ワセリンの含有が良好な肉芽創面を維持し, すみやかな表皮再生を促した。さらに刺激性, 二次感染もなく, 再生表皮が, ガーゼの糸目を越える所見もなく, 良好な表皮の再生像を示した。

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© 1978 日本皮膚科学会西部支部
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