西日本皮膚科
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症例
薬剤内服で発症したと思われるDisseminated Intravascular Coagulation Syndrome
桑原 章瀬口 俊一郎柿原 良俊中西 秀樹武田 克之重見 文雄
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1978 年 40 巻 5 号 p. 895-902

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抄録

抗生剤を内服して生じたと思われるdisseminated intravascular coagulation syndromeの2症例を報告した。ともに紅斑で発症し, 紅斑は一時ほとんど消退したが, ふたたび発熱をともなつて紅斑, 点状出血を生じ, 血小板減少, プロトロンビン値低下, フィブリノーゲン減少, FDP高値がみられた。第1例はミノサイクリン内服で発症し, 肝障害が強く, ヘパプラスチンテストの低下もあり, 肝障害に続発したDICと思われた。第2例はセファレキシン内服で発症したと思われ, 骨髄の低形成をともない, 血小板, フィブリノーゲンなど凝固因子の著明な減少のほか, 白血球系も減少がめだつた。高熱, 意識障害, 性器出血, 血尿などもあり, 呼吸不全により死亡した。DICの臨床症状のうち, 点状出血, 斑状出血などの紫斑, 皮下出血, 注射部位出血など, 皮膚症状の重要性を強調した。

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© 1978 日本皮膚科学会西部支部
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