1978 年 40 巻 6 号 p. 1152-1155
長崎県在住のPCB中毒(油症)患者およびその発生地域住民の尿中ポルフィリン体測定をおこなつた。対象は油症患者71名, 対照180名であり, 尿中コプロポルフィリン体値は油症患者1例を除いて有意差は認められなかつた。油症患者群のうち49才男子例では尿中コプロポルフィリン316.8μg/l, ウロポルフィリン2514.8μg/lと著しい増加が認められ, 露出部位に小水疱, 色素沈着などporphyria cutanea tardaを思わしめる変化がみられたが, この症例ではアルコール大量摂取の既往があり, PCBとの因果関係は明確ではない。