西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
シンポジウム—ステロイドと真菌症—
ステロイド外用剤の実験的皮膚カンジダ症にたいする影響
岡部 知洋
著者情報
ジャーナル 認証あり

1979 年 41 巻 2 号 p. 237-241

詳細
抄録

モルモット, マウス, ヒトに閉鎖密封法でCandida albicans生菌を接種し, 実験的皮膚カンジダ症を生じさせて, ステロイドとくに外用剤の影響について検討した。モルモット, マウスにおいてはもともとありえない病変を生じさせて行なつたため, 明確な結果をしめしがたいが, 今回行なつた実験の限りでは皮膚カンジダ症にたいしてステロイド外用剤と基剤の間に有意差はみられなかつた。ヒトではステロイド外用剤はC. albicansによる炎症反応をわずかではあるが抑制した。またステロイドによる止痒効果は十分認められた。カンジダ症は臨床面からも考えられるように環境因子の影響がほとんどであり, ステロイド外用剤が関与する影響は微々たるものと考えた。

著者関連情報
© 1979 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top