西日本皮膚科
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研究
皮膚糸状菌試験用培地(DTM)の使用経験
高安 進新海 浤赤木 正志
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1979 年 41 巻 2 号 p. 291-298

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抄録

白癬68例, カンジダ症2例の病巣材料を皮膚糸状菌分離培地DTMに培養し, 皮膚糸状菌およびCandidaの分離培養培地としての有用性について検討した。DTM上に白癬菌の発育した場合には平均4.9日で明確な白色糸状菌集落が認められ, 平均6.3日で培地は強く赤変し, 従来用いられた培養方法よりもはるかに迅速, 適確に白癬菌の発育を確認することができた。DTM上の白癬菌の発育はきわめて良好であり, 同時に発育する雑菌の数およびその発育は抑制され, 目的とする白癬菌の検出はきわめて容易であつた。白癬菌の分離率は65%であつた。皮膚糸状菌はDTM上で特有の集落型をしめすために, asteroid型のTrichophyton mentagrophytesはその集落の外観によつて適確に同定することが可能であつた。

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© 1979 日本皮膚科学会西部支部
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