西日本皮膚科
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シンポジウム—化粧と皮膚—
化粧と皮膚
—治療—
早川 律子小林 美恵大井 正己
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1979 年 41 巻 3 号 p. 465-474

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抄録

化粧品皮膚障害の治療において留意しなければならない諸問題のうちから, 問診時の注意, パッチテスト, 化粧指導の3点をとりあげて検討した。初診時の生活調査, 心理テスト(Y-Gテスト)から, 黒皮症患者は初期症状や軽微の症状を見逃しやすい傾向があることが判明し, 初診時の問診は充分配慮し, 症状の経過を正しく把握する努力が必要であると考えた。パッチテストは材料, 試料の性質により, 結果が異なる場合がある。化粧品の製品のパッチテストは原因の診断よりスクリーニングテストとして意義が大きい。化粧指導は疾患の性質, 患者の皮膚の状態, 患者の年令, 患者のneedなどを考慮に入れて行なう必要がある。黒皮症, 化粧品皮膚炎, 肝斑, 尋常性ざ瘡, 太田母斑についてわれわれが行なつている化粧指導を述べた。

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© 1979 日本皮膚科学会西部支部
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