西日本皮膚科
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症例
痛風結節を合併した糖原病I型(Von Gierke病)
北村 啓次郎今井 民栗原 誠一籏野 倫中村 隆一猿田 享男
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1979 年 41 巻 5 号 p. 856-863

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抄録

多発性皮下結節を主訴として来院し, 顔貌はいわゆるdoll like appearanceで, 体格小, 肝腫大, 低血糖, 高乳酸血症, 高脂血症が発見され, 皮下結節および肝の生検組織学的検査, 各種負荷試験と血球の酵素学的検索の結果, 糖原病I型(von Gierke病)と診断した32才女子例を報告した。本例の皮下結節は臀部, 大腿, 膝関節を中心に下半身に多発(足趾, 足背には認めず)し, また結節内には白色泥状物が存在し, 組織化学的に尿酸と脂質から成り, 含有脂質は化学分析の結果, 大部分は燐脂質と中性脂肪であることを証明しえた。以上, 通常の痛風結節とは発生部位, 多量の脂質を含有するなど若干趣を異にするが, von Gierke病に合併した痛風結節は血液成分の影響を強く受け, さらにその出血傾向の存在とともに血行力学的に外的因子の加わりやすい下半身に好発するものと考えた。また痛風結節を合併したvon Gierke病は極めてまれなものであり, それに関しても文献的に少しく考察した。

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© 1979 日本皮膚科学会西部支部
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