西日本皮膚科
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研究
動静脈吻合とGlomus腫瘍の電子顕微鏡による研究
今山 修平幸田 弘占部 治邦
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1980 年 42 巻 2 号 p. 255-268

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抄録

正常の動静脈吻合の血管壁の中膜は, 縦走する小型の平滑筋細胞より成る内層と, 輪走する大型の平滑筋細胞より成る外層に分けられ, また外膜はアミン作動型とコリン作動型より成る豊富な神経支配を受けることを明らかにした。単発型glomus腫瘍では, 増殖した平滑筋様細胞の持つflamentに異常がみられ, また中膜と内皮下部に多数の神経要素を認めた。多発型glomus腫瘍では, 神経支配が乏しい点をのぞいて, 正常の動静脈吻合の血管壁との高い類似性が確認された。以上の所見は, 両腫瘍が動静脈吻合に由来するという考えを支持するものと思われ, 一方では, この腫瘍の発生に神経の異常が関与している可能性を示すものと思われた。

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© 1980 日本皮膚科学会西部支部
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