西日本皮膚科
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症例
成人T細胞白血病の3例
杉本 憲治中野 洋子清水 正之中村 保夫辻 幸太
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1980 年 42 巻 5 号 p. 802-810

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抄録

それぞれ異なつた皮膚症状を呈した成人T細胞白血病の3例を経験した。症例1は50才男子で半米粒大の紅色丘疹が躯幹, 四肢に密に集簇してみられ, とくに躯幹では丘疹のため正常皮膚を残していない。症例2は88才男子で剥脱性紅皮症を呈している。症例3は56才女子で上肢, 背部に米粒大の紅色丘疹が散在性に見られる。皮膚組織学的所見では浸潤細胞は核に切れ込みを有するリンパ球様細胞で, これらの細胞は症例1では真皮上層の血管周囲に限局してみられ, 症例2では真皮上層から深層まで広範囲に浸潤し, 表皮ではPautrier微小膿瘍を形成している。症例3では真皮上層に瀰漫性に浸潤し, 表皮への侵入像もみられるがPautrier微小膿瘍の形成は認められない。皮膚浸潤細胞の電顕像では, 核はクロマチンが核周囲で濃く, 切れ込みを有している。症例2ではこれらの切れ込みを有する細胞のほかに, 大型で核に切れ込みのない芽球様の細胞が多数認められた。

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© 1980 日本皮膚科学会西部支部
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