西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
粘液型悪性線維性組織球腫
成田 博実緒方 克己菊池 一郎指宿 一彦海老原 宏
著者情報
ジャーナル 認証あり

1981 年 43 巻 3 号 p. 398-404

詳細
抄録

73才男子の粘液型悪性線維性組織球腫の1例を報告した。初診時,右大腿前面下部に可動性のある5×10cmの弾性硬の皮下結節を認めた。切除標本の肉眼所見では,ゼラチン状内容物を持つ結節性病巣が主として皮下脂肪組織内に認められたが,一部には硬いfibrousな部を混じていた。光顕的には,硬い部分は異型性を示すfiroblast様細胞が主体でstoriform patternを呈し,bizarreな核を有する巨細胞も散見された。Myxomatousな病巣は血管が豊富で,異型性のある紡錘型細胞,巨細胞を認め,間質はヒアルロニダーゼ消化性アルシアンブルー陽性所見を示し,粘液型悪性線維性組織球腫と診断した。

著者関連情報
© 1981 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top