73才男子の粘液型悪性線維性組織球腫の1例を報告した。初診時,右大腿前面下部に可動性のある5×10cmの弾性硬の皮下結節を認めた。切除標本の肉眼所見では,ゼラチン状内容物を持つ結節性病巣が主として皮下脂肪組織内に認められたが,一部には硬いfibrousな部を混じていた。光顕的には,硬い部分は異型性を示すfiroblast様細胞が主体でstoriform patternを呈し,bizarreな核を有する巨細胞も散見された。Myxomatousな病巣は血管が豊富で,異型性のある紡錘型細胞,巨細胞を認め,間質はヒアルロニダーゼ消化性アルシアンブルー陽性所見を示し,粘液型悪性線維性組織球腫と診断した。