西日本皮膚科
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協賛論文
北方における皮膚結核について
—北大皮膚科教室例の検討(その4)—
三浦 祐晶猿田 基司川岸 郁朗
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1981 年 43 巻 Suppl 号 p. 1008-1014

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抄録

昭和42年1月から同54年12月までの満13年間に北大皮膚科外来を受診した皮膚結核患者数は51名で, 新来総数60,679名に対し0.084%であつた。これは, 当料における既往の調査成績(大正14年~昭和16年, 0.69%; 昭和17年~昭和28年, 0.92%; 昭和29年~昭和41年, 0.37%)に比べると著しい減少である。この減少の理由として, 一般結核の激減, 結核免疫の変化, 抗結核剤の進歩が推定される。病型ではバザン硬結性紅斑の著減が目立つた。尋常性狼瘡も減少したが, なお散見され, 全例女性で, かつやや高年令層にみられた。初発年令はこれまでの成績に比べてやや高令化していた。結核性既往歴の頻度は減少していたが, 家族内感染の可能性はより濃厚に推定された。またツベルクリン反応陽性率および強陽性例は前回の報告より減少していた。あわせて興味ある4症例を記述した。

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© 1981 日本皮膚科学会西部支部
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