悪性変化を伴つた疣贅様表皮発育異常症の3例を報告した。症例1は31才女子, 症例2は25才男子, 症例3は26才男子である。全症例で家族歴に血族結婚があり, 症例1, 2は同胞例で他に2名の同症患者がみられた。3例とも典型疹は幼少時に発症し, 20才過ぎから黒褐色腫瘤を併発してきた。組織学的に, 典型疹の光顕所見はすべて, 一般の扁平疣贅にみられる空胞細胞とは趣きを異にした大型の澄明変性細胞を表皮中層から顆粒層にかけて認め, 黒褐色腫瘤部はBowen病様の組織所見を呈した。電顕的には, 症例3で扁平疣贅様皮疹部からウイルス粒子を証明したが, Bowen病様腫瘤部からは見い出し得なかつた。