西日本皮膚科
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治療
ルーフルゲルの湿疹·皮膚炎に対する治療経験
安良岡 勇岡本 昭二
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1982 年 44 巻 2 号 p. 238-243

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抄録

1) ルーフルゲル(0.05% フルオシノニド含有ゲル剤)を25例の湿疹·皮膚炎群(湿潤型, 乾燥型, 苔癬化型), 1例の頭部脂漏性皮膚炎と1例の結節性痒疹, 計27例に使用し, 89.0%の有効率が得られ, 有用性が認められた。
2) 乳剤性基剤で不適応とされる湿潤·糜欄にも, 高い有効率を示し, 湿潤·糜欄でも十分使用できることが認められた。すなわち使用感では, 乳剤性基剤の特徴を有し, 適応範囲では油脂性基剤の特徴をも有している。しかし, 使用開始時に, 軽度刺激感を自覚することが多く, とくに感覚の敏感な顔面, 手指への使用に当たつては, 注意を要する。
3) ゲル剤の特徴である塗擦しやすさ, 塗擦後爽快感がほぼ全例でみられた。頭部脂漏性皮膚炎でこの特徴が生かされ, 著効が得られ, 被髪部皮疹に適することが示された。
4) 現在使用されている種々のステロイド軟膏·クリームを対照として, 左右比較を行つたが, フルオシノニド軟膏·クリーム, 吉草酸ベタメタゾン軟膏と同等あるいはそれ以上の効果を示した。
5) 副作用として, 刺激感のほかに, 成人型アトピー皮膚炎1例で, 軽度皮膚乾燥化がみられた。

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© 1982 日本皮膚科学会西部支部
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