1982 年 44 巻 4 号 p. 565-569
Gianotti病の1例を報告した。自験例は1才女児で, 典型的な扁平紅色丘疹を顔面, 四肢ならびに躯幹にも認め, 表在リンパ節腫大と肝腫大, 血清HBsAg陽性所見などより, Gianotti病と診断した。HBsAg subtypeはadrであつた。また本邦における自験例を含めた散発例についてHBsAg subtypeに関しての若干の検討を加え, 従来, 本症ではaywが多いとされていたが, それは多症例を有する1流行例によるもので, われわれの調べた範囲の散発例ではadw, adrが92%を占めているという結果を得た。