西日本皮膚科
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治療
Fostex Creamによる尋常ざ瘡の治療成績
三浦 祐晶足立 柳里
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1983 年 45 巻 2 号 p. 273-277

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抄録

微粒子沈降硫黄とサリチル酸を薬用成分とする洗顔用クリームであるFostex cream(以下FTXと略す)を尋常ざ瘡患者に使用し, その効果を観察した。 対象症例は若年者にみられた軽症∼中等症の尋常ざ瘡8例(17∼27才)で, うち2例が男子, 6例が女子である。 使用法は, 1日2回(朝·夕)顔を温湯でぬらし, FTXの適量(1∼2g)を手のひらでよく泡立ててから洗顔させた。洗顔後FTXを十分に洗い流し, 女性では日常使用しているローションまたは乳液を使用させ, 男性では無処置のままとした。4週間の使用経過観察結果は次のごとくである。8例のうちかなり軽快(++)が3例, やや軽快(+)が4例, 不変(0)が1例であつた。性別では概して男子よりも女子の方に効果があり, また重症度別では中等症よりも軽症の方に効果が著明であつた。有用性では, かなり有用(++)が4例, やや有用(+)が3例であつた。有用と思われない(0)が1例あつたが, これは副作用としてそう痒感を生じたので中止したものである。副所見として落屑が3例に, つつぱり感とかさかさ感が6例に, かさかさ感のみが1例にみられたが, いずれも使用を中止しなければならないほどではなかつた。

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© 1983 日本皮膚科学会西部支部
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