西日本皮膚科
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治療
ケトコナゾールの白癬, とくに深在性白癬に対する臨床効果
西沢 慶昭高橋 伸也
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1983 年 45 巻 5 号 p. 890-893

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抄録

真菌症に対して種々の抗真菌剤が開発·使用されているが, 抗菌スペクトラムが広範囲で, 経口投与が可能な薬剤は数少ない。今回, われわれは白癬12例(浅在性白癬8例, 深在性白癬4例)に対してケトコナゾール(KW-1414)を投与し, その効果を検討した。結果は著効9例(足白癬1例, 股部白癬1例, 体部白癬3例, 白癬菌性毛瘡1例, ケルスス禿瘡3例), 有効0例, やや有効2例(足白癬2例), 無効1例(足白癬1例)で, 有効以上の有効率75.0%, やや有効以上を有効とした場合の有効率は91.7%であつた。副作用は他疾患合併症例で発疹が出現し, 薬疹を疑い投与していた他剤と共に中止した1症例だけで, 全例に施行した一般検査成績では肝機能障害などみられなかつた。ケトコナゾールは深在性白癬にその適応があると考えた。

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© 1983 日本皮膚科学会西部支部
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