晩発性皮膚ポルフィリン症の皮疹部および無疹部の病理組織学的検討を行つた。本症例はアルコール摂取歴はなかつたが, 活動性慢性肝炎を合併していた。露出部の瘢痕様皮疹部のPAS染色標本では, 表皮基底膜および真皮血管周囲にPAS陽性物質の沈着がみられ, 免疫蛍光抗体直接法で同部にIgG, fibrinogenの高度沈着, およびIgAの軽度沈着が認められた。被覆無疹部皮膚のPAS染色標本では, 表皮基底膜および真皮血管周囲に軽度のPAS陽性物質沈着があり免疫蛍光抗体直接法で表皮基底膜にIgG中等度沈着, 真皮血管周囲にIgG, IgA, fibrinogenの軽度沈着が認められ, 被覆無疹部皮膚においても, 皮疹部と軽度ながら同様の所見が得られた。