西日本皮膚科
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皮膚血管炎の臨床的研究
第1編 Anaphylactoid Purpuraの経過ならびに予後
加藤 一郎斉藤 隆三
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1984 年 46 巻 2 号 p. 574-578

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抄録

昭和46年から56年の間に当科を受診した患者のうち組織学的に確定した68例のanaphylactoid purpuraについて検討した結果, 1) 性別では2:3で女子に多い, 2) 発症年令では6∼9才に最も好発する, 3) 季節的には春秋に多く, 夏少ない, との結果を得た。また上記68例についてアンケート方式で郵送予後調査を施行したところ55例(81%)の回答を得た。以下にその分析結果を述べると, 4) 皮疹の経過は再発を認めないものが25例(45%)であり, 再発した症例を含めてもほとんどの症例が3ヵ月以内に消退している, 5) 合併症では40∼60%の範囲で腎症状を合併し, 少数例ながら腎炎·腎不全に陥る症例もある。腹部症状·関節症状は遷延する傾向がない, 6) 皮疹の分布と全身症状との間には明らかな関連はない, 7) 検査所見では軽度の炎症反応を認める症例が多い, また血清IgA値も上昇している例が多い, 溶連菌感染との関連は明らかではない, との結論を得た。

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© 1984 日本皮膚科学会西部支部
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