1984 年 46 巻 Suppl 号 p. 124-128
最近20年間における汗器官腫瘍およびPaget病の教室例を臨床的, 統計的に検討し, 以下の結果を得た。
1-1) 汗器官腫瘍症例の総計は36例で, 外来患者総数および生検標本総数に対して, それぞれ0.059%および0.26%を占めた。1-2) 男女比は, 1:2.3で女子にやや多かつた。1-3) 部位では, 顔面, 頭部に好発傾向を示した。
2-1) Paget病症例の総計は22例で, 外来患者総数の0.036%を占めた。2-2) 男女比は, 1:2.7で汗器官腫瘍と同様に女子にやや多かつた。2-3) 内訳では, 乳房Paget病10例, 乳房外Paget病12例で両者の比は1:1.2であつた。2-4) 乳房Paget病では, 全例が女子であつたのに対し, 乳房外Paget病では, 男女比は1:1であつた。2-5) 年令層別では, 乳房Paget病では平均年令は58才であつたのに対し, 乳房外Paget病では72才で, 乳房Paget病よりも高令者に発生する傾向がみられた。