西日本皮膚科
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研究
悪性リンパ腫の免疫学的, 病理組織学的研究
原 紀正麻上 千鳥原 曜子山本 俊比古白石 達雄藤田 英輔
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1984 年 46 巻 Suppl 号 p. 194-199

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抄録

教室の非ホジキンリンパ腫(NHL)9例, 成人T細胞白血病·リンパ腫(ATLL)2例および菌状息肉症(MF)1例, 計12例の悪性リンパ腫について, 蛍光抗体法による免疫組織学的検索, ロゼット形成法による腫瘍細胞のT, B細胞分類による検索および病理組織学的検索を行い, 以下の結果を得た。NHL 9例中, 6例がT細胞性であり, うち4例は胸腺性, 2例は末梢性と考えられ, 他の3例はunclassifiableであつた。ATLL 2例およびMF 1例は, いずれも末梢T細胞性と考えられた。ロゼット形成法による検索では, NHL 5例中3例に明らかな差がみられ, 免疫組織学的検索の結果と一致していた。病理組織学的検索では, epidermotropismはT細胞性NHLの3例, MFの1例およびunclassifiableの2例に, clear zoneはlarge cell typeでT細胞性であつた1例に認められた。Convoluted nucleiはT細胞性NHLおよびMFの各1例, ATLLおよびunclassifiableの各2例に, またcleaved nucleiはunclassifiableの3例にのみ認められた。

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© 1984 日本皮膚科学会西部支部
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