1985 年 47 巻 1 号 p. 11-15
2例のreticulohistiocytic granuloma(RG)を報告し, 臨床的および組織学的に類似する成人型xanthogranuloma(XG)との鑑別を中心に報告した。RGは中年者に多くみられるのに反し, XGは比較的若年者に多く, 皮疹の性状としてはRGの方が硬かつた。組織学的には両者ともに皮疹の時期によつて浸潤細胞の種類, 構成の程度に差がみられたが, RGにみられたすりガラス状の細胞質を有する多核巨細胞や多形組織球の存在が鑑別の決め手になると考えた。