近年, 形成外科的手技の導入により, われわれ皮膚科医にも著明な後遺症を残すことなく口唇部腫瘍切除後の再建ができるようになつてきた。今回われわれがこれまで行つてきたなかから代表的7症例につき, 口唇部の再建法として単純V字形切除縫縮術2例, V字形切除縫縮術+Z形成術1例, subcutaneous pedicled flap法1例, reverse Gillies’ fan flap法+ステップ·テクニック1例, Abbé-Estlander法1例, nasolabial flap+Abbé flap法1例を施行し, 良好な結果を得たことを述べた。さらに口唇部腫瘍切除後の再建術は患者の年令と性, 腫瘍の性格と切除量, 腫瘍切除後の欠損の大きさと部位が術式の選択と組み合わせを決定することを述べた。