1985 年 47 巻 3 号 p. 429-433
89才女子の右頬部に認められたspindle cell squamous carcinomaの1例を報告した。十数年前より頬部, 額部に角化をともなう丘疹が多発していた。初診の3ヵ月前より右頬部の丘疹が増大し, 初診時には32×29×18mmの半球状の腫瘤となつた。この腫瘤は組織学的に紡錘形の腫瘍細胞からなり, その核は異型性に富み, 多核, 核分裂像も多く観察された。腫瘍細胞はvan Gieson染色で黄染した。Spindle cell squamous carcinomaと診断し, Mohs’ chemosurgeryの変法で治療した。