1985 年 47 巻 4 号 p. 674-677
ヒトのノルウェー疥癬に相当する角質増殖型のブタ疥癬に罹患したブタの患部から虫体, 虫卵を多数含む角質, 鱗屑, 痂皮を採取し, 超音波破砕, 凍結乾燥などの処理を加えて粗抗原を作成した。当科で経験した疥癬患者14名, 正常人13名の血清中特異IgGの半定量を行うべく, この粗抗原を利用してELISAを施行した。その結果, 患者群は正常人群に比し有意差がみられ, 特異IgGの存在が示唆された。また, 発症後1ヵ月以内に来院した3名はことに特異抗体価が高かつた。