抄録
われわれは, 昭和34年より昭和58年までの25年間に当教室で経験した基底細胞腫65例67個の臨床的, 組織学的観察を試みるとともに, Luna’s techniqueを用い, 間質の弾力線維について観察した。臨床的には, 男子がやや多く, 年令では50才以上が80%を占めた。発生部位は顔面が76%ともつとも多く, とくに鼻背·鼻翼に多かつた。臨床病型では, 結節潰瘍型61.2%, 多発表在型14.9%の順で, 他は少数であつた。組織病理は, solid type 35.7%, superficial type 17.9%, adenoid type 13.4%の順であつた。臨床病理と組織病型の間に, 特別な関係はみられなかつた。また, Luna’s techniqueによつて間質の弾力線維を検討した結果, その23%に間質に弾力線維の新生がみられた。これは, 本症の間質依存性を支持するものと考えたい。