西日本皮膚科
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治療
II度熱傷に対するケナコルトAG軟膏の治療効果
末永 義則山元 修
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1986 年 48 巻 1 号 p. 88-91

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抄録

II度熱傷における局所療法の基本は局所の安静, 感染の予防, 疼痛の緩和, 浮腫の抑制, 滲出液の減少化により早期に上皮化をはかることである。今回, われわれは17例の主としてII度の限局性熱傷に対して, 抗生物質添加外用副腎皮質ホルモン剤の一つであるケナコルトAG軟膏を使用し, 以下の結果をえた。
1) 17例中きわめて有用14例(82%), 有用2例(12%), やや有用1例(6%)の成績をえた。
2) 4日ないし20日間の観察期間内において, ケナコルトAG軟膏による局所的副作用, とくに感染はまつたく認められなかつた。
3) 血液, 生化学, 尿検査を行いえた症例のうち, ケナコルトAG軟膏による全身的異常は認められなかつた。
以上より, ケナコルトAG軟膏は限局性II度熱傷に対し, 有効かつ安全な薬剤であると考えられる。

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© 1986 日本皮膚科学会西部支部
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