1986 年 48 巻 4 号 p. 715-719
下眼瞼部の皮膚腫瘍に対して, open treatmentを11例に施行した。男子4例, 女子7例で, 年令は43才から82才まで, 平均59.5才であつた。内眥部5例, 外眥部3例, 中央部3例で, 欠損の大きさは4×4mm(円形)から15×8mm(半円形), 22×5mm(長楕円形)で, 全例2週間以内に治癒し, 機能障害を残すことなく, 整容的にも満足のいく結果であつた。本法は簡便であるため短時間ですみ, しかも手術侵襲が少ないので, 高令者や重篤な合併症を有している場合によい適応がある。さらに, 誰が行つても同じ結果が得られるので, 手術の苦手なわれわれ皮膚科医にとつて好都合な術式であり, 今後広く行われてよい手術法と考える。