1986 年 48 巻 6 号 p. 1130-1138
各種皮膚悪性腫瘍に対する遺伝子組換えヒトインターフェロンγ(S-6810)の臨床第二相試験を全国19施設で実施した。全身投与(点滴静注)は14例に行われ, 菌状息肉症3例中CR, PR各1例の有効例が得られた。局所投与は85例で行われ, 転移性皮膚悪性黒色腫で52.9%(9/17), 菌状息肉症63.6%(7/11), 皮膚悪性リンパ腫42.9%(3/7), 有棘細胞癌38.5%(5/13), 基底細胞癌100%(6/6), Bowen病78.6%(11/14), Paget病55.6%(5/9), 局所投与全体では56.5%(48/85)の奏効率が得られた。おもな副作用は発熱, 悪寒·戦慄, 倦怠感, 食欲不振, 嘔気·嘔吐, 白血球減少, 血清トランスアミナーゼの上昇であり, 従来のα型, β型インターフェロンによる副作用とかわりはなかつた。いずれも可逆的で減量あるいは中止により軽快した。全般に局所投与による副作用は全身投与に比べ軽微であつた。