西日本皮膚科
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治療
帯状疱疹に対するアラセナ-Aの使用経験
松村 和子野村 和夫
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1987 年 49 巻 1 号 p. 131-135

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抄録

9-β-D-arabinofuranosyladenine(vidarabine, アラセナ-A)の帯状疱疹に対する有効性を検討した。
(1) 主として高令者や, 悪性腫瘍に併発した免疫低下状態にある患者の帯状疱疹, 汎発性帯状疱疹10例に対して, アラセナ-A 300mg/日を4∼5日間点滴静注によつて投与した。
(2) 皮疹改善度は100%, 全般改善度は100%, 有用度は90%であつた。
(3) 副作用は, 悪心, 嘔吐が1例, 肝機能障害が1例に認められたが, いずれも軽度で, 投与継続は可能であつた。
以上より, アラセナ-A静注療法は, とくに高令者および悪性腫瘍に併発した免疫低下状態の患者の帯状疱疹, 汎発性帯状疱疹の治療にきわめて有効であると考えられた。

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© 1987 日本皮膚科学会西部支部
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